幸せになる準備 (1)     2011

5月、7月と企画したコンサートが無事終わり、目標の達成が出来、いらして下さった方々に本当に心からの感謝と、そして、素晴らしい演奏を聴かせて頂いた仙台フィルの原田哲男さん、ピアニストの小川由希子さんに喜びと幸福の時間を頂いた事に深く御礼申し上げたいと思います。 お二人の息のあった演奏は勿論のこと、それぞれの曲への思いや、解釈、バックグラウンドまで、和やかな雰囲気の中演奏と共に沢山の事を教えて頂き、足を運んで下さったお客様同様に、新鮮な気づきと音楽家に対する親近感が増すことで、クラシックが更に身近で楽しいものとなりました。 そして、何より原田さん小川さんお二人の人としての素晴らしさは、特にお食事を共にした方々は、更に素敵なプレゼントとなられたのではないでしょうか。 一つ一つの音、旋律は時には懐かしく、時には切ない思いを聴く者に抱かせ、目に見えない音の世界は限りなく羽ばたき、観た事の無い場所や時代までも記憶の奥底から呼び覚ましてくるようでした。 特にチェロの音色は、良く最も人間の声に近いと言われていますが、それは、囁くように、訴える様に、狂おしく優しい響きでした。 抱きしめられ、突き放され、歌い、踊るような音と振動の連続は、こうも心地良いものかと、むしろ全て身を委ねてしまう事の快感に躊躇いを感じてしまう程です。改めて音楽の素晴らしさと危険さを思わずにはいられませんでした。 
お客様と「幸せな時間だった」「豊かな時を過ごした」「記憶を揺さぶられた」と潤んだような瞳で、会話を交わす事があるのですが、これはまるで恋をしている人達の会話の様です。 そうです。 演奏に集中している間、音楽と観客は演奏者を媒体として恋をし、情交をしているのかもしれません。
心の中に小さな秘密を持ったようにその喜びは、最初の音から誰にも知られず、聴いている本人だけがひっそりと育て上げ、空想し、触れ合い、交わっているのかもしれません。 時には、ローマの坂道を、或いはドイツの森の中を、そしてロシアの白夜を誰かと彷徨いながら、音との会話を楽しんでいるのでしょう。
幸福は、色々な顔を持っています。 日々、あらゆるところにそれは姿を見せているはずなのに、見つけられる人と、見つけられない人がいるのも事実です。 今この時を楽しみ受入れ、如何に時を作り上げていくか、そのイメージを自分の中に持っているのも、大切な幸せを受け入れる準備なのだと思います。 

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